2018年11月15日にRed Hat Enterprise Linux 8.0 Betaが公開されました!
今回は、Red Hat Enterprise Linux 8.0で大きく変更となった箇所をまとめてみました。
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) はRed Hat社が提供している、有償のLinuxディストリビューションであり、 RHELの無償版がCentOSとなっています。
よって今回紹介するRHEL 8.xとRHEL 7.xの違いは、ほとんどそのままCentOS 8.xとCentOS 7.xの違いとなります。
この記事は、以下のRHEL 8.0 Beta release notesから個人的に気になった部分を抽出したものです。
すべての変更を確認したい場合は、以下の公式マニュアルを参照してください。
RHEL 8.0 Beta release notes
すべての変更を確認したい場合は、以下の公式マニュアルを参照してください。
RHEL 8.0 Beta release notes
RHEL 9.0についてはこちら!
Red Hat Enterprise Linux 9.x と 8.x の違いまとめ
Red Hat Enterprise Linux 9.x と 8.x の違いまとめ
1. 概要
Red Hat Enterprise Linux 8.0は、Fedora 28をベースとしており、Linuxカーネルバージョンは4.18となります。
これまでのRed Hat Enterprise Linuxは、以下のFedoraをベースとしています。
Red Hat Enterprise Linux 8.0 | Fedora 28 |
Red Hat Enterprise Linux 7.0 | Fedora 19 |
Red Hat Enterprise Linux 6.0 | Fedora 12 |
2. 削除される機能
- Btrfsファイルシステムがサポートされません
AnacondaのGUIや、Kickstartコマンドにおいて、Btrfsが利用できなくなります。
- ntpパッケージが削除されます
RedHat 7.xでは、ntpとchronyの両方が利用可能でしたが、8.xではchronyのみがサポートされます。
- KDEが廃止されます
RedHat 7.xでは、GNOMEの代わりにKDE Plasma Workspaces (KDE) が利用出来ましたが、8.xでは削除されました。
7.x KDEから8.x GNOMEへデータを以降する機能は提供されないため、KDEを利用している人はバックアップしてからアップデートを行ってください。 - OpenLDAPでNSSデータベースがサポートされません
以前のRedHatでは、OpenLDAPにilla Network Security Services (NSS) を利用していましたが、OpenLDAPコミュニティがサポートしているOpenSSLに変更されます。
3.新機能
- Cockpitの機能が拡張されます ネットワークページが追加され、ファイアウォールの設定を変更出来るようになりました。
モバイルページに対応し、スマホでの表示が改善されました。
最小インストールを行わなかった場合は、標準でCockpitが有効化され、対応するファイアウォールのポートが標準で開放されます。 - 標準のPythonが3.xに更新されます RedHat 8.xでは、Python 3.6が使用されています。
パッケージは標準ではインストールされず、「yum install python3」コマンドでインストール出来ます。
Python 2.7は「python2」パッケージで利用可能ですが、あくまでもPython 3.xに移行するためのものとなります。 - yumが廃止され、dnfに変更となります Python 2.xの廃止に伴って、Python 2.xに依存するyumが廃止され、dnfに変更となります。
yumコマンド及びdnfコマンドの両方のシンボリックリンクが作成されているため、yumコマンドも従来通り利用可能です。lrwxrwxrwx. 1 root root 5 2月 14 21:02 dnf -> dnf-3 -rwxr-xr-x. 1 root root 1954 2月 14 21:02 dnf-3 lrwxrwxrwx. 1 root root 5 2月 14 21:02 yum -> dnf-3
- モジュールが導入され、特定のパッケージが頻繁に更新されるようになりました 以下のコマンドが利用可能です。
- 利用可能なモジュール一覧
yum module list
- モジュールの詳細情報
yum module info モジュール名
- モジュールのインストール
yum install @モジュール名:ストリーム
- 利用可能なモジュール一覧
- nfsnobodyユーザーは、nobodyに置き換えられます RedHat 7.xでは、id 99のnobodyユーザーに加え、id 65534のnfsnobodyユーザーが存在していました。
これらのユーザーが、id 65534のnobodyユーザーに統合されます。nfsnobodyユーザーは作成されません。 - 利用可能なデータベースが更新されます MySQL 8.0, MariaDB 10.3, PostgreSQL 10, PostgreSQL 9.6, Redis 4.0が利用可能です。
- 標準で搭載されているPHPのバージョンが7.2に更新されます
- Nginx 1.14が新たにサポートされます
- GNOME Shellのバージョンが3.28に更新されます
- glibcライブラリが2.28へ更新されます
- ディスプレイサーバーがXorgからWaylandに変更されます
Waylandでは以下の点において、注意が必要です。
- 複数のGPUはサポートされません。
- NVidiaのバイナリドライバーが動作しません
- スクリーンレコード、リモートデスクトップ、アクセシビリティが正しく動作しません
Nvidiaのバイナリドライバー等を使用したい場合には、以下の手順でX.orgへフォールバックを行うことが出来ます。
1. 「/etc/gdm/custom.conf」を開き、「WaylandEnable=false」を追記する。
2. GNOMEログイン画面の歯車アイコンからX11を選択する。 - iptablesがnftablesに置き換えられます この更新に伴ってfirewalldもnftablesを標準で使用するように変更されます。
- iptables-translateコマンドを使用することで、既存のiptables形式のルールをnftables形式に変換出来ます。
$ iptables-translate -A INPUT -j CHECKSUM --checksum-fill nft # -A INPUT -j CHECKSUM --checksum-fill
とりあえず気になった点をざっと羅列してみました!
何か気になる点があればコメントくださいm(_ _)m
Red Hat Enterprize Linuxってなんですか?
Red Hat Enterprise Linuxですよね?
https://www.redhat.com/ja/technologies/linux-platforms/enterprise-linux
ご指摘ありがとうございます!
本文を訂正しました( ´∀`)