Red Hat Enterprise Linux 9.x と 8.x の違いまとめ

2021年11月4日にRed Hat Enterprise Linux 9.0 Betaが公開されました!
今回は、Red Hat Enterprise Linux 9.0で大きく変更となった箇所をまとめてみました。

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) はRed Hat社が提供している、有償のLinuxディストリビューションであり、 RHELの無償版がCentOS StreamやAlmaLinuxとなっています。よって今回紹介するRHEL 9.xとRHEL 8.xの違いは、ほとんどそのままCentOS Stream 9.xとCentOS Stream 8.x ( AlmaLinux 9.xと AlmaLinux 8.x)の違いとなります。

この記事は、以下のRHEL 9.0 Beta release notesから個人的に気になった部分を抽出したものです。すべての変更を確認したい場合は、以下の公式マニュアルを参照してください。

ベースのFedoraバージョン

Red Hat Enterprise Linux 9.0は、Fedora 34をベースとしており、Linuxカーネルバージョンは5.14となります。

RHELバージョンFedoraバージョン
Red Hat Enterprise Linux 9.0 Fedora 34
Red Hat Enterprise Linux 8.0Fedora 28
Red Hat Enterprise Linux 7.0Fedora 19
Red Hat Enterprise Linux 6.0Fedora 12
【参考】これまでのRed Hat Enterprise Linuxは、上記のFedoraをベースとしています。

削除される機能

  • 暗号化ポリシーにおいて、SHA-1の使用が標準で制限されます
    TLS, DTLS, SSH, IKEv2, Kerberos プロトコルにおいて、SHA-1は許可されなくなります(HMAC, DNSSecを除く)。
  • 「/etc/selinux/config」ファイルからSELinuxを無効化できなくなります
    SELinuxを無効化したい場合は「/etc/selinux/config」を使用して、SELinuxポリシーのロードを無効化します(SELinux自体は起動時に有効化された状態になります)。
    SELinuxの起動自体を無効化したい場合は、カーネルコマンドラインにselinux=0パラメータを追加してください。
  • iptables-nft および ipset が廃止されました
    ファイアウォールのルールを設定する場合は、nftablesフレームワークを使用してください。
  • network-scripts パッケージが削除されました
    ネットワーク設定をする場合は、NetworkManagerを使用してください。
  • TPM1.2はサポートされなくなりました
    TPM 1.2は削除され、RHEL 9以降ではサポートされません。TPM 1.2のサポートが必要なアプリケーションを使用する場合は、RHEL 8を使用してください。
  • OpenSSHのデフォルト設定では、パスワードを使用したrootアカウントへのログインが禁止されます
    キックスタート時にパスワードを使用したrootアカウントのログインを有効化する場合は、キックスタートファイルに以下の行を追加してください。
    %post echo
    "PermitRootLogin yes" > /etc/ssh/sshd_config.d/01-permitrootlogin.conf
    %end
  • SPICEリモートディスプレイプロトコルはサポートされなくなりました
    リモートコンソールアクセスの場合はVNCプロトコル、サードパーティー製ツールを使用する場合は、RDP, HP RGS, Mechdyne TGXを使用することをおすすめします。

新機能

  • exFATファイルシステムがサポートされます
    exFATファイルシステムは、exfatprogsパッケージをインストールし、mkfs.exfat utilityを使用することで作成できます。
  • OpenSSLが、バージョン3.0.0-0.beta2で提供されます。
  • OpenSSHが、バージョン8.6p1で提供されます。
  • 動的プログラム言語のパッケージが更新されます。
    ・Node.js 16
    ・Perl 5.32
    ・PHP 8.0
    ・Python 3.9
    ・Ruby 3.0
  • Webサーバーのパッケージが更新されます。
    ・Apache HTTP Server 2.4
    ・nginx 1.20
  • データベースのパッケージが更新されます
    ・MariaDB 10.5
    ・MySQL 8.0
    ・PostgreSQL 13
    ・Redis 6.2
  • システムツールチェーンが更新されます
    ・GCC 11.2
    ・glibc 2.34
    ・binutils 2.35
  • GNOMEバージョンが40に更新されます

気になった点をざっと記載してみました!
何か気になる点があればコメントくださいm(_ _)m

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Posted by takumi9942